【e-Motorsports】自宅で参戦するために必要な設備3選

レーシングシミュレーター

2020年4月。コロナウイルス「COVID-19」の拡大に伴い、あらゆるイベントが開催自粛となっている。

そして、モータースポーツ界にも例外なくその災禍は影響を及ぼし、F1ではグランプリの延期や一部取り止めやニュルブルクリンク24時間レースも延期など、ビッグイベントにも非常に大きな影響を与えている。

そんな中で今、注目を集めているのが【e-Motorsports】だ。

 

e-Motorsportsとは

いわゆるeスポーツ・・・ゲーム上で競技を行う種目の一つで、名前から分かるようにeスポーツのモータースポーツ版と認識頂いて相違ない。

もともと、新型コロナウイルスが蔓延する10年以上前から、レースゲームのネット対戦は一部の愛好家たちの間で流行っていたが、ここまで大々的に認識されるようになったのは、やはりウイルスが蔓延してからだろう。

特徴① 家から参戦・観戦可能

e-Motorsportsの特徴は何といっても、家の中からレースに参加できることだろう。ビデオゲームだから、当たり前といえば当たり前化も知れないが、これこそ今の時期に大きく台頭してきた最もたる所以だろう。

リアルなモータースポーツに参加するためにはドライバー一人だけでなく、監督やエンジニアをはじめとする非常に多くのスタッフによる支えが必要不可欠となる。

しかし、e-Motorsportsは家の中から一人で参加できる。必要なのはソフトウェア・ソフトを動かすマシン・コントローラーなどのデバイスだけだ。感染拡大の最大の要因である人との接触を完璧に避けることが出来る。

また、観客というスポンサーも非常に重要だ。仮にスタッフの準備が整ったからと言って、サーキットで観客0人で開催しようものなら商売あがったりである。

しかし、バーチャルであれば、家から個人個人で観戦可能で感染の恐れは限りなく抑えることが出来る。

特徴② 気軽に参加できる

そして、e-Motorsportsの特徴のもう一つが「誰でも」「気軽に」「いくらでも」サーキットを走れることだろう。そして、一番の魅力でもある。

私も今まで数回サーキットへと足を運んだが、何分にも都心部から遠いのが悩みだ。(それこそ、数十台の車が快音を響かせながら走る施設が都心部にある方が問題ではあるが・・・)

朝5時に起き、身支度も早々に終えて出発し、都心から高速を乗り継いで2時間かけて、サーキットに行くだけでも一苦労というものだ。

富士スピードウェイのゲート

さらに日帰りの場合、帰り道も往路同様である・・・。

しかし、バーチャルであれば、小さなゲーム端末内にコースも車両も既に詰め込まれている。あとは、モニターの前に座って、彼らを解放してあげれば、あっという間にレースカーやスポーツカーが走り乱れるサーキットの完成である。

特徴③ メンテナンス不要

実際にマイカーないしチーム所有の車両でサーキットの走行会に参加されたことがる方だったら、よくご存じのことと思うが、車の体調管理は”超”重要だ。

特に足回りは重要で、タイヤの溝やブレーキ関係の事前準備はかかせない。

想像して欲しい・・・どんな整備しているか分からない状態の車で、ギリギリのブレーキングをしてコース幅を一杯に使った最高なコーナリングを出来るだろうか?少なくと、私にはできなかった。日頃整備工場に車を出しててもだ・・・。

勿論、メンテナンスにはそれなりの費用がかかる・・・専用のスポーツタイヤを4本そろえれば20万以上飛んだり、ブレーキパッドの交換だけでも数万円はかかる。

ブレーキパッド

摩耗したブレーキパッドは要交換

しかし、e-Motorsportsではそういったことに悩まされることは一切ない。ゲーム上ではドライバー・マシン共に完璧な状態で準備が整っている。(少なくとも走行前は)

仮にゲームシステム上、マシントラブルが起こったとしても、被害はゲーム内だけだ。しかし、リアルなモータースポーツではそうはいかない。ウン十万円の出費は覚悟しなければならないのだから。

 

e-Motorsports参戦に必要な物

e-Motorsportsの魅力を十分にご理解頂いた所で、実際に参戦するとしたら必要になるものを見ていく。

①ゲーミングハード

ゲーミングハード

いわゆるプレステ4に代表されるコンシューマー機(以下、CS機)やゲーミングPCなどレーシングシミュレーターを動かすためのマシンで、これが無いとお話にならない。

最近はプレステとPCの両ハード共通でソフトが販売されることが多いため、好きなハードどちらかを選べばいい。(ただ、後述する『グランツーリスモスポーツ』はプレステ4限定。『iRacing』はPC限定となる。)

 

コスト面を考慮するならCS機一択と言える。今のご時世、新品でも4万円あれば入手可能だ。

これがゲーミングPCだとそうはいかない、最近のレース”シミュレーター”は車一台ごとに物理演算を行っているし、グラフィックも美麗である。

それらを考慮した上で、推奨されるスペックを備えたPCを買おうとすると20万円は見込んでおくべきだろう。

CHECKPCにはCS機にはない魅力がある。話すと長くなるので割愛するが、フルVR環境での20台以上のレースやModを使用したコース・車両のアップグレード・CS機を凌ぐ超高品質の画質設定などだ。
上記を踏まえて、自分にあったハードを選択するのが良いだろう。勿論、筆者はプレステ4とゲーミングPCと両刀持ちだ・・・。

②シミュレーターソフト

シミュレーターとカッコよく行ってはいるが、要はゲームソフトだ。

ただ、ゲームと言ってもドライビングシミュレーターと呼ばれているソフトは、ゲームセンターに置いてあるような爽快感のある走りがウリの物とは異なり、リアルな車の動き(俗に言う挙動)に近い動きをするソフトである。

実車の様にコーナリング時はブレーキングと適切なステアリング操作。また、大パワー車ではホイルスピンに注意したアクセルワークが要求されるなど、爽快感は皆無であり、操作としてはシビアだ。

 

COMMENTしかし、シビアな分、自分の思い描く理想的な走りが出来た時は、一言で表すのは難しいが「面白い」と筆者は思う。複合コーナで理想的なライン・ペダルワークが出来た時、それは言うなら「野球で内角低めギリギリいっぱいストライクが取れた時」の感想と通じるものがあるように感じる。

そこが、Motor“sports”と言われる所以ではなかろうか。

コロナウイルス影響化、プロ達が参戦して活発になっていたり、今現在流行っているレーシングシミュレーターソフト(レースSIM)を5つほど紹介したい。

グランツーリスモスポーツ

言わずと知れたレースゲーム界の金字塔。ゲーム好き又は車好きの人なら一度は『グランツーリスモ』の名を耳にしたことがあるだろう。

各自動車メーカーとリアルタイムで企画を実施していたり、FIA(国際自動車連盟)で正式に競技として認定されており、優勝すれば現実のF1ドライバー達と同様に表彰されるなど、今一番勢いのあるレースSIM。

プレステ4専用タイトルではあるが、グラフィック面でも同世代のレースSIMと比べて、群を抜いて美麗で特に光の表現には感嘆する。

入賞者には景品が贈呈される自動車メーカー公認のタイムアタックイベントやプロレーシングドライバーとの直接対決イベントなど活発に活動が行われている。他のレースSIMがプロの対決を観戦する用途に使われることが多い中、本タイトルはコロナ禍が終息した先を見据えて、ユーザーも”参加”できる企画を考えているのが魅力。

また、TOYOTAのとある事業所内にはグランツーリスモ専用のe-Motorsportsスタジオが設置されるなど、バーチャルとリアルをより近づける努力をしているソフトだ。

GAZOO Racing e-Motorsports Studioイメージ

GAZOO Racing e-Motorsports Studioイメージ (出典:https://toyotagazooracing.com/jp/e-motorsports/release/2020/0403-01.html)


Assetto Corsa Competizione

ブランパンGTシリーズの公認ソフトで、基本的に同タイトル参戦の車両・コースのみの収録となる。

しかし、ブランパンGTシリーズと明確にタイトルを決めているため、車両やコース1つ1つのクオリティはとても高く、特にエキゾーストノートに関しては非常にパンチ力のある音を奏でてくれ、やる気にさせてくれる。

また、プロのレースチームにシミュレーターソフトも提供している「Kunos Simulazioni」が開発した最新のレースSIMであり、開発会社が会社だけにプレイヤーに要求する操作性やグランツーリスモ以上にシビアで、一瞬でもペダルワークを誤れば一瞬でスピンする程。

ちなみに、腕時計に少々興味をお持ちの方なら、お気づきのことであるだろうが、本ゲームのテーマとなっている【ブランパンGTシリーズ】はスイスの高級腕時計メーカー【BLANCPAIN】がスポンサーを務めていたからこその名前である。残念ながら、2019年でその契約関係も終わってしまったようだ。その内容が、ゲーム内でも今後どのように反映されていくのか、そういった意味でも個人的に興味があるタイトルである。

今回のコロナ騒動の中で、マクラーレンやベントレーのワークスチームがゲーム内の【プロクラス】へ参加するなど、海外では大きな注目を集めている。

iRacing

日本国内ではかなりマイナーで、月額制及び対応言語が英語と参入障壁が非常に高い。また、ゲーム開始時に名前を登録する必要があるのだが、原則実名登録で、その名前は他のプレイヤーにも公表される仕組みとなっている。

さらに、車両・コースともレーザースキャンによる実計測による作成が行われており、美麗とはいえないものの、現実感のあるテクスチャで非常に臨場感ある見た目をしている。

グランツーリスモスポーツが出る以前からレーティング制を実施しており、速さやセーフティドライブによるランク付けが行われる。e-Motorsportsの中でも最もリアルなソフトと言ってもよいだろう。

 

コロナ禍が始まる前から、実名でプレイしているプロドライバーもいたが、ウィルス蔓延以降はインディカーiRacingチャレンジなども開催されており、2019年にインディ第三戦で優勝を飾り、一躍有名となった佐藤琢磨選手も参加するなど大きな盛り上がりを見せている。

Dirt Rally2.0

前項までのレースSIMと少々、趣向が異なり、こちらはタイトル通り、ダート(砂利道)をメインに走るゲームだ。

ラリーの特性上、基本的にはライバル車と同時に走ることは無く、SS(スペシャルステージ)という区間をタイムアタックして、その時間を競う競技となる。

正直、コースアウトやぶつけずに走るのは今まで紹介してきたソフトの中で最も難しく、また、車両へのダメージ(パンク・オーバーヒート等)もしっかりと表現されているため、

初心者にはとっつき難いタイトルであることは間違いない。

ただ、複数台入り乱れてのオンライン対戦と異なり、自分の時間でまったり出来、一区間も長くて10分弱とキリが良い作品なので、今お勧めしたい一本である。

PS Plus加入者向けのフリーダウンロードで2020年5月7日までPS storeで無料配布中なので、ライブラリに追加はお忘れなく!



③コントローラ―

無くても困らないが、それでも最も大事と言えるのがコントローラーだ。

ただ、ここで話すコントローラーは十字キーやスティック・ボタンが何個もついてて、両手にすっぽりと収さまるのとは別物。

e-Motorsportsに参戦するので最も大事なコントローラー・・・それはステアリングコントローラー(通称、ハンコン)だ。

レーシングシミュレーター

読んで字のごとく、ハンドルの形をしたコントローラーで、基本的にはペダルセット(アクセル・ブレーキ)も併せて呼ぶ。

ハンコンも値段はピンキリであるが、安い物だと1万円台から高いものだと20万円は下らない。海外だと自作で数百万円かけて整えている人もいるくらいだ。

「ゲームにハンドルなんて気分だけでしょ?」と思われる方もいるかもしれない。実際、1万円台の安いハンコンだと気分レベルの品であるが、高い物になるとハンコンから路面の起伏やタイヤの情報などが振動として伝わってくる。プレイヤーはその情報を元に、ステアリング舵角やペダル踏力の調整を出来るので、普通のゲームのコントローラーより遥かににリアルな操作を体感できる。

ここまで、リアルなeスポーツはe-Motorsportsを除いて他にないだろう。

ただ、ハンドルを設置するとなると、それ相応の設置場所も確保しなければならないので、それだけはお忘れなきよう・・・。

[blogcard url=”https://giocare.life/steering-wheel-controller/”]

まとめ

リアルでのサーキット走行はゲーム上での数十倍刺激的だ。

ㇾブリミット限界までエンジンを引っ張り、今まで感じたことのない旋回Gを受けながらコーナーをクリアし、200km/hを遥かに超える速度でストレートを駆け抜ける。

しかし、リアルなモータースポーツに参戦しようとすると、時間・金銭的にも非常にハードルが高い。また、コロナ禍で日本が誇る名サーキットの富士スピードウェイや鈴鹿サーキットも休業へと追い込まれてしまっている。
富士スピードウェイ公式サイト:https://www.fsw.tv/
鈴鹿サーキット公式サイト:https://www.suzukacircuit.jp/

ただ、e-Motorsportsであれば、数十万円あれば十分な設備を整えることが出来、機器が壊れない限り、出費は電気代だけだ。

完璧なイコールコンディション下で勝負が出来るし、命の危険もない。そして、何よりコロナ禍による影響は皆無と言ってよいだろう。

外出自粛という免罪符を得た今、モータースポーツのためにお家レーシング機材一式を揃えるのも一興ではないだろうか?

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Yoshiaki Kamiya
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29歳。運転が好きなサラリーマン。
愛車は2006年式のポルシェボクスターS。国内A級ライセンス保持。

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