以前、過去にないほどの盛り上がりを見せているeーMortorsports市場。新型ゲームハード『PlayStation5』の発表と合わせてレースゲームの金字塔グランツーリスモシリーズの最新ナンバリングタイトルである『グランツーリスモ7』も正式アナウンスされ、また、近年注目され始めているSIMの最新作である『Project Cars3』も発表。これからもレースSIMの勢いは右肩上がりになることは容易に想像出来る。
今回はそんな来るべき、レースSIMの流行に先立ち、家庭環境に合わせて最適なSIM用の環境をまとめてみた。
SIM環境に必要な設備
前提として、レースSIMを家で楽しむ際に必要となる機器類をまず整理してみる。
ハンドルコントローラー
レースSIMの花形とも言えるのがハンドルコントローラー。無くても遊べるのだが、あるのとないのとでは楽しさは雲泥の差がある。
パッドでも速い人は速いのだが、やはりハンドルコントローラーを使った方が現実に近いステアリング操作とスロットル操作を出来るため、タイムに直結しやすい。
ハンコンもピンキリで複数のメーカーから様々な種類の製品が販売されているため、自分にあったモデルを購入するのが良いだろう。
ハンドルコントローラーについての細かなことやおすすめモデルを下記ページにまとめているので、参考にして頂きたい。
ハンドルコントローラー設置スタンド
ハンドルコントローラーを使用する場合は、ハンドルやペダルがずれないように、ガッチリと固定してあげる必要がある。
固定出来るのであれば家にある机でもなんでも良いのだが、専用のスタンドがあるとドライビングポジションを調整しやすくなる。
ハンコンが花形なら、設置用のスタンドは縁の下の力持ちともいえる存在だ。
設置スタンドについても細かい話やおすすめモデルは下記ページにまとめてある。
アドオンアイテム
アドオンアイテムはハンドルコントローラー以外の補助的なコントローラーのことを言い、代表的なものとしてはシフトレバーやハンドブレーキがあげられる。
無くても、十分楽しむことは出来るのだが、よりリアルに楽しみたい場合やラリーSIMをプレイしたい場合などは追加することをお勧めする。
モニター
モニターも通常のゲーム宜しく、テレビに出力してあげれば問題はない。
しかし、昨今のレースSIMは画質も上がってきており4K対応のソフトも増えてきている。また、本格的にオンラインでコンマ数秒のタイムを競い合うe-Motorsportsの場合、ライバル車のほんの一瞬のスキをついてオーバーテイクする必要が出てきたりと、高画質かつ応答速度(ゲームハードからの映像が画面上に反映されるまでの速度)の速いモニターが望ましい。
また、レースSIMは運転席に座った視点でプレイするため、VRとの相性が非常に良い。私自身もPSVRとHTC VIVEを所有しており、対応しているタイトルは基本的にはVRでプレイしているのだが、これがまぁものすごい臨場感でとても楽しい!
ゲームハード
必須です!これなしだとプレイする出来ません笑
PS4などのコンシューマー機だけでプレイする場合はそれで問題ないが、PCを使ってレースSIMをプレイする場合はハイスペックなゲーミングPCが必要になる。
家庭環境に合わせたレースSIM環境モデル
勿論、揃えられるなら考えうる最強の環境を構築できるに越したことはない。
しかし、現実にはお財布の事情もあるし、何よりも日本の家庭事情からデカデカとSIM設備を設置するのは難しい。そのため、今回は前述した2つの事情を考慮し、3つのSIM環境モデルを考えてみた。
狭いスペースでも遊べるライトモデル
お家のスペースやご家族の事情により大がかりな設備が整えられない場合のレースSIM環境モデルは以下の通りだ。
項目 | 製品 | 価格 |
---|---|---|
ハンドルコントローラー | ロジクール G29 Driving Force | 43,800円 |
設置スタンド | AP2 Racing Wheel Stand | 11,980円 |
アドオンアイテム | なし | 0円 |
モニター | 家にあるテレビ | 0円 |
ゲームハード | プレイステーション4 | 35,000円 |
合計 | 90,780円 |
ハンドルコントローラーは欠点がなく、コストパフォーマンスは良いミドルスペックのロジクール製のG29を採用。
ハンコン設置用のスタンドも折り畳み式のAP2 Racing Wheel Standを採用。プレイシートは付属していないため、プレイ後は片づけられるのもポイント。
ざっと見積もった結果は10万円を下回る価格とレースSIMを設置するにしてはかなり安価といえるだろう。
どっしり腰を据えて遊べるミドルモデル
レースSIMを設置するスペースは確保出来るものの、後述する車1台買う値段は出せないぞという方向けの環境モデルは以下の通り。現在、私が組んでいる環境とほぼ同じ構成になる。
項目 | 製品 | 価格 |
---|---|---|
ハンドルコントローラー | Thrustmaster T-GT | 97,980円 |
設置スタンド | ロッソモデロ GTD-Spec i | 82,500円 |
アドオンアイテム | Thrustmaster TH8A シフター | 23,980円 |
モニター | LGエレクトロニクス32UK550-B | 46,950円 |
ゲームハード | プレイステーション4PRO ゲーミングPC(GALLERIA XF) | 47,400円 186,978円 |
合計 | 485,788円 |
ハンドルコントローラーは約10万円するハイスペックモデルのThrustmaster製のT-GTを採用。優れたFFBトルクバンドと静穏性、先代モデルのT300RSで課題だった熱溜まりによるオーバーヒートも電源アダプタを外部設置にすることにより完璧に解決されている。
さらに拡張パーツとして、同社製品のマニュアル用のシフターTH8Aを採用し、マニュアルトランスミッション車の運転も楽しめる環境とした。
設置スタンドはハンコン固定用の台座と専用のバケットシートが一体となった実車のマフラー製造を生業とするロッソモデロ社製のGTD Spec-iを採用した。台座の高さ調整やシートのリクライニング機能が充実しており、身長に関わらずポジションの設定がしやすい上、ファブリック製のバケットシートは座り心地が存外悪くなく、長時間プレイしていられる。
モニターはプレイステーション4PROとゲーミングPCによる4Kプレイを想定して、4K/HDRに対応したゲーミングモニターを使用。31.5インチの大画面で迫力のプレイを楽しむことが出来る。
モニターは1枚だけのため、周囲を見渡せるVR機器を導入するのも良い手と言える。
最高の機材で楽しむ理想のハイスペックモデル
最後にご紹介する理想モデルは100万円を優に超える究極系だ。
項目 | 製品 | 価格 |
---|---|---|
ハンドル コントローラー | Fanatec PODIUM Racing Wheel F1 FANATEC Club Sport Pedals V3 Inverted | 217,000円 72,500円 |
設置スタンド | Next Level Racing GTultimate V2 Next Level Racing Motion Platform V3 | 118,107円 316,143円 |
アドオンアイテム | FANATEC ClubSportシフターSQ V1.5 FANATEC ClubSport Handbrake V1.5 | 28,900円 16,900円 |
モニター | LGエレクトロニクス32UK550-B×3枚 HTC VIVE Cosmos Elite | 142,200円 120,990円 |
ゲームハード | プレイステーション4PRO ゲーミングPC(GALLERIA XZ) | 47,400円 258,478円 |
合計 | 1,338,618円 |
ハンドルコントローラーはハンコン界のフェラーリことFANATEC社製のダイレクトドライブハンコンであるPodium Racing Wheelを採用。また、ペダルセットも別売りであるため、同社の最高峰モデルで調整可能なダンパーを装備した本格的な3ペダルセットのClub Sport Pedals V3 Invertedを使用した。
設置スタンドもただハンコンを固定するだけでなく、SIM上の車両の挙動に連動してシートが稼働するモーションコックピットを採用。
モニターもレースSIM憧れの車両両側のサイドが確認出来る4Kのトリプルモニターだ。4Kモニター3枚分の映像処理が必要になるため、PCも最高のグラフィックボードを積んだ製品を選んだ方が良いだろう。
家庭環境に合わせて自分の理想的な環境を構築する楽しみ
ズラズラと3つのモデルについて、偉そうに語ってきたが、勿論上記モデルを参考にしてもらって構わないが、やはりこういった趣味の物は自分が一番気に入ったものを選ぶのが何よりも大切だと思う。
お家の環境やお財布とにらめっこしつつ、自分が欲する環境を夢見て、少しずつ環境を構築していく瞬間が何よりも楽しいといっても過言ではない。
私も今の環境を整えるまでは何十時間もネットで情報を漁りに漁って吟味しまくった。そして、その悩んでいる瞬間が楽しかったのを覚えている。
この記事がSIM構築を夢見ている諸兄方の目に楽しく映ったら本望だ。さらに参考になったと思っていただけたら、なお幸いだ。
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